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ローラン・プティと牧阿佐美バレエ団 <事務局>

2020年3月公演ローラン・プティ「ノートルダム・ド・パリ」

来週11月20日(水)から、ファンクラブ「牧バレエフレンズ」チケット先行販売が始まります!

 

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(c)Christian Coigny

 ローラン・プティと牧阿佐美バレエ団

 

 

  ローラン・プティと牧阿佐美バレヱ団の交流は、1996年<ダンス・ヴァンテアンⅣ>公演での「アルルの女」上演に遡る。牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちの水準をプティが評価し、98年8月の<ダンス・ヴァンテアンⅥ>「ア・リタリエンヌ」を経て、同年11月に大作「ノートルダム・ド・パリ」(全幕)日本初演が実現した。

 多彩な作品を手掛けているプティであるが、彼が最も得意としたのはストーリー性の高い舞踊スペクタルであり、この「ノートルダム・ド・パリ」はその代表作といえる。音楽モーリス・ジャール、衣裳イヴ・サン=ローラン、装置ルネ・アリオという各分野の第一人者の協力を得て65年にパリ・オペラ座で初演された。大作であるがゆえに上演権を持つ団体は、プティが率いた当時のマルセイユ・バレエ団以外では、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座などに限られていたが、ヨーロッパ以外のバレエ団として初めて牧阿佐美バレヱ団がその上演を許可され、文化庁芸術祭主催公演として新国立劇場オペラパレスでの初演に至った。中世パリの雰囲気そのままに光と闇の織り成す濃密な世界を表現した日本人ダンサーたちの健闘が各紙の絶賛を集め、以後2000、03、05、06、12、16年と再演を重ねる団の重要なレパートリーに成長した。

 99年5月には、「アルルの女」「シャブリエ・ダンス」「若者と死」の3本を<ローラン・プティの夕べ>として上演。特に初期を代表する「若者と死」は、46年パリ初演時の装置を使ったオリジナル版が初めて日本で上演されるということもあり話題を呼んだ。

 01年7月、プティは牧阿佐美バレヱ団創立45周年を祝して「デューク・エリントン・バレエ」を振付け、新国立劇場で世界初演を飾る。翌年、本作品はナポリ・サンカルロ劇場のレパートリーに加えられ、日本から発信されたバレエ作品として重要な意義を担った。

 03年には3月の<ダンス・ヴァンテアンⅨ>「エリック・サティ・バレエ」を経て、8月にBunkamuraオーチャードホールで「ノートルダム・ド・パリ」、「デューク・エリントン・バレエ」を6回ずつ2週間に亘って連続上演。

 04年2月、「ピンク・フロイド・バレエ」を新制作。NHKホールの大空間を豊饒な光と音、映像で圧倒した本作品を携えて、牧阿佐美バレヱ団は05年夏、バルセロナ、パリ、ビアリッツの3都市を巡るツアーを敢行。同年10月、東京国際フォーラムで凱旋公演を行い、翌06年夏には再びスペイン5都市を巡演。現地での熱狂的な歓迎が08年夏「デューク・エリントン・バレエ」でのスペイン8都市ツアーへと繋がった。

 創立55周年記念公演の最後を飾る「ノートルダム・ド・パリ」を準備していた矢先に、突然伝えられた2011年7月10日の訃報は牧阿佐美バレヱ団を大きな悲しみで包みこんだ。心をこめて氏へのオマージュを捧げた公演は感銘深いものとなり、一同、氏の遺してくれた作品を今後も大切に踊り継いでいきたいという思いを新たにした。