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元東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部部長松田 亜有子さんから寄稿を頂きました <事務局>

元東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部部長

アーモンド株式会社代表取締役 松田 亜有子さんから3月公演ローラン・プティ振付「ノートルダム・ド・パリ」について寄稿を頂きました。

映画『アラビアのロレンス』で有名なモーリス・ジャールが音楽を担当した本作品は、音楽的にも興味深い作品です。

 

フランス最大の文豪と称されるヴィクトル・ユゴー(1802-1885)の傑作『ノートルダム・ド・パリ』、映画音楽の巨匠モーリス・ジャールが挑んだ。ユゴーの文学を軸に、天才振付家ローラン・プティ、衣装イヴ・サン=ローラン、音楽ジャールという超一流の芸術家たちが結集して創り上げたのが、このバレエ作品『ノートルダム・ド・パリ』である。

 

これまでリスト、ベルリオーズ、ラフマニノフ、サン=サーンス、ヴェルディ、ワーグナーら、19世紀ロマン派を代表する作曲家たちがユゴーの文学や詩にインスピレーションを受けて作った曲は数多い。‟イタリアのベートーヴェン“と称されるヴェルディが絶頂期に作曲したオペラ『リゴレット』も、原作はユゴーだ。音楽の世界へ多大な影響を与えたユゴーの存在の大きさは計り知れない。

 

一方、映画音楽界で燦然と輝く功績を残したジャールの代表作と言えば、なんといっても『アラビアのロレンス』だろう。スケールの大きな音楽と共に、広大な砂漠を舞台に繰り広げられる物語は、映画史上に残る永遠の名作として、この世に刻まれた。

 

この度上演される『ノートルダム・ド・パリ』では、ユゴーが描いた人間の「宿命」というものを圧倒的な音楽で表現している。パリ音楽院で打楽器を学んでいたジャールは打楽器を巧みに使い、群集シーンでの生命力が漲るような音楽は圧巻だ。第2幕のエスメラルダとカジモトのパ・ド・ドゥでの神秘的な旋律に、『アラビアのロレンス』で流れていた音楽を感じるのは私だけだろうか。 「音楽は言葉でできないことを、沈黙していられないものを表現する」というユゴーの言葉どおり、人間の持つ光と闇を音楽で描いたジャール。その壮大な音絵巻をお楽しみいただきたい。

 

3月公演「ノートルダム・ド・パリ」は、

指揮 デヴィッド・ガルフォース

演奏 東京オーケストラMIRAI

でお送りします。

 

全文は特設サイトでもご覧いただけます。

 

「ノートルダム・ド・パリ」特設サイト

https://ambt-notre-dame.jp/