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花 <檀上 侑希>

皆さんこんにちは。

最近、頂きものの桜が咲いて春を感じている檀上です。

 

桜の木って咲き始めたなー満開だなーって思うことがあっても、その花1つ1つを観察する機会はなかなかないですよね。

10時間でこの違い。

蕾が開いてからのスピーディーさに驚きです。

 

そして5日後。

最初の花は端が茶色く。

毎朝、日の当たる窓辺に移しながら花と蕾と枝を観察するゆるやかな時間をもつようになりました。波平さんもきっとこんな気持ちで盆栽を眺めていたのだろうなと思いつつ。

 

あるお花屋さんによれば、コロナ前よりもお花が売れているそう。花は食べれるわけでもなく、便利に使えるわけでもないですが、あるだけでなんかいい。

コロナによって制限されたり、以前のようには出来ないことが沢山ある今、身近な「なんかいい」存在となっているのかも。

 

 

花といえばもう1つ。

日本最古の演劇論書『風姿花伝』で世阿弥は「花」という言葉を使って能の芸術性を説いています。ここで「花」を使ったのは、誰でも想像しやすく、万人にとってなんかいい感覚のある物だったからかなと考えたり。

芸術と花は案外近い存在なのかも。

 

バレエも花のように、沢山の人にとって身近な「なんかいい」存在になるといいなと思いながら、今舞台で踊れる機会があることに感謝して、稽古しているところです。