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私の役の作り方 <細野 生>

お疲れ様です、本日も細野です。

 

さてさて本日は、一個前の記事でお話ししていた演技についての私なりの考え方や役の作り方なんかをお話していきたいなと思います。

ちょっと説明が長いのと明日、今日の記事を踏まえたうえでの比較動画を出す予定(リハーサルの撮影許可が降りれば)なので「お前の演技論なんかいらーん、結果だけ見せてくれよ」という方は明日の記事をお待ちください。万が一リハーサルの撮影許可が降りなかった際は頑張って文字に起こすのでその際は同情しながら読んでいただけると幸いです。

 

さて、では本題にいきましょう。作風や演目、役柄によって求められる演技は変わってきますが今回の私は「自然な演技」をモットーにアランの役作りをしていきます。

ここで問題なのがそもそもの「自然な演技とはなんぞや?」です。私の思う自然は「キャラの性格が始めから終わりまでブレない」「役柄や性格と言動が噛み合っている」「性格、感情と間の取り方が噛み合っている」とかでしょうか。次からは上であげた3つを深掘りしていきましょう。

 

 

「キャラの性格」

私としては演技を始める上で最初に作っておくと後の作業が圧倒的に楽になるのでここはなるべく丁寧に作ります。

 

アランの設定としては

1「身体は大人、中身は子供」

2「パパっ子でパパの言うことは絶対」

3「お気に入りの赤い傘が大好き!傘と一緒にいればそれだけで幸せ!」

 

与えられた大まかな設定はこんなところですが、これだけでは私には情報が少ないので、設定に矛盾しない範囲で性格を肉付けしてあげます。ここの情報量が多い方が後々楽になるので頑張って考えます。

 

「中身は子供」をどう解釈するかですが大まかに「5歳児ぐらい」と仮定しましょう。自分の記憶を引っ張り出してきたり、甥っ子や教えの際に触れ合う5歳児、時折電車で見かける小さい子達の印象は「純粋無垢」「単純」「好奇心の塊」「1度に複数のことを処理できない」「恋愛感情はまだわからない」「言われたことは一生懸命にやる」「一個新しい情報が入ってきたら一個忘れる」「話を聞いてほしい、構ってほしい」「人見知り」「大人が思いもよらないものに急に興味を示す」「よくわかんないけど楽しそう」「じっとしてるの苦手」などなど。ここまで来ると後はどの要素をどれくらい入れるかの作業です。さながらゲームのキャラメイクみたいにどのパラメータにどれくらいの数字を割り振るかでその後の言動や間の取り方が変わってきます。

 

 

「性格と言動」

さてここで先程作った性格のパラメータにあった行動を考えます。例えば「人見知り」を多めに振ったならば知らない人に対して及び腰でしょうし「好奇心」に振ったならばきっと目に写るもの全てに気を取られてソワソワした子になるかもしれません。最初は極端な性格にした方が行動を予想しやすかったりセリフを考えるのが楽ですので、極振りの性格から少しずつ出し入れするのが私なり…というか指導していただいた時のアドバイスでした。

 

 

「性格や感情と間」

言動と少し似たような項目ですが極端な例を出してイメージをしていただきましょう。「戦場カメラマンの渡部陽一さん」といえばあの独特のゆったりとした話し方が印象的でなんとなく「大らかな性格なんだろうな」と漠然と想像してしまいませんか?或いは自分が好きな分野の話をしていると知らず知らず興奮して早口になったりしていませんか?これを意識して使うことで「実は怒っているけど押し隠している」とか「実は平静を装っているけど焦っている」とかセリフや動作と異なる感情を表せたり、逆に感情と間を一致させることで小さな動きでも感情を十分に表現出来ると思っています。これをキャラの性格とその時の心情、シーンに合っているかなどを考慮して試行錯誤します。

 

性格を想像して、それを元に動きにセリフをつけて、そしてその時の感情に合った呼吸(間)でセリフを心で呟く

 

言ってみるとシンプルなんですけどねぇ、これがまた実際にやると難しいんですよ。日常の自然な会話では「相手が発した言葉を受ける、こちらサイドがそれに対して考える、こちらが言葉を発する」なはずなのに、舞台は基本的に相手がいうセリフもこちらがいうセリフも決まっているので、セリフをきちんと用意すれば用意するほど相手のセリフに対して反射で自分のセリフ(演技)をはじめてしまうんです。かと言ってセリフを完全に忘れるのも問題なわけで…案外自然な演技って難しいんですよ。

 

偉そうにご高説を述べている私の実際の演技が如何程のものなのか観に来て確かめていただけると幸いです!

 

新国立劇場でお会いできるのを楽しみにしてます!

 

以上、宜しくお願いします。