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経験から学ぶこと。 <三宅 里奈>

こんにちは。

三宅里奈です。

 

先月、日生劇場ファミリーフェスティヴァル『白鳥の湖』の全6公演が無事に終演致しました。

お越し下さった皆様、温かい拍手と感染対策へのご協力をありがとうございました。

 

おそらく『白鳥の湖』は『くるみ割り人形』の次に入団してから踊らせて頂いている作品だと思います。

 

入団してすぐに地方公演での『白鳥の湖』があり、そこで初めてコールドバレエに入れてもらいました。プロのバレエ団で踊る事の厳しさを本当の意味で痛感したのはこの時だと思います。何十回も踊った事のある先輩方の中に入った私たち新人数人、それは付いていける訳もなく落胆したのを今でも覚えています。脚は痛いし、でも練習しないと出来る様にならないし、、、がむしゃらに頑張った日々でしたが今思うとあの日々にバレエ団で踊る時に心得ておくべき事をたくさん勉強させてもらったと思います。

 

その後大きな4羽を、そして今回オデットとオディールを踊らせていただきました。バレエの技術はもちろんのこと、牧阿佐美バレヱ団の悲劇で終わる白鳥の湖を2幕から4幕の中でどの様に表現していくか、私の夏は頭の中がきっと白鳥の湖で埋め尽くされていたなと思う程、色々な事を考えていたと思います。もちろんまだまだ未熟な部分は多いですが少しでも観に来て下さった皆様が最後に踊りと共にドラマも心に残っていたら嬉しいなと思います。

撮影:三枝近志

 

そしてバレエ団は10月3日にある『NHKバレエの饗宴』と10月9日、10日ある『ローラン・プティの夕べ』に向けてリハーサル真っ只中です。クラシック音楽である『白鳥の湖』から一転、『ローラン・プティの夕べ』で上演される『デューク・エリントン・バレエ』ではジャズで踊ります。ジャズで踊るからジャズダンスな訳ではなく、ジャズで踊るバレエです。クラシックバレエの綺麗な部分とジャズが奏でるカッコ良い部分が融合されて出来ている作品なんです。昨年上演予定だった『ノートルダム・ド・パリ』、今年1月に上演予定だったこの『ローラン・プティの夕べ』。2度も中止となってしまったプティさんの作品、今度こそ無事に上演できる事を願っています。

 

不安な日々はまだまだ続きそうです。

皆様のご健康を願うと共に、バレエが少しでも皆様の心の癒しになれる様に私たちダンサー一同リハーサルに励みたいと思います。

 

三宅里奈